牛蒡種

日本の長野県や岐阜県、福井県などの地方に伝わる憑き物、あるいは憑き筋。「護法実」と書いて「ごんぼだね」と読む場合もある。また単に「牛蒡(ごんぼ)」と呼ばれる場合もある。修験者が護法神を自分に乗り移らせる「護法実(ごほうざね)」が名前の由来だと思われるが、「牛蒡の種が簡単に衣服にくっつくのと同じく、簡単に人に取り付いてしまう憑き物」と説明される。外道や管狐のように動物(のような妖怪)を憑かせるのではなく、(自分の)生霊を憑依させるものだとされる。ただし、岐阜県飛騨地方ではこの牛蒡種を「七五匹(ななじゅうごひき)」という別名で呼び、75匹の動物を使役すると信じられていた。 牛蒡種の家筋は「牛蒡筋(ごんぼうすじ)」と呼ばれる。牛蒡筋の者が誰かを憎んだり嫌ったりすると、その相手に牛蒡種が憑き発熱や精神異常などの異常を引き起こさせる。また牛蒡種は自分の意思と関係なく動く場合があり、例えば「あそこの家の畑は今年豊作だな」と家の者がちょっとうらやむような発言をしただけで牛蒡種が勝手に動き農作物を枯らしに行ってしまうこともある。ただ、警察や村長といった家の者より目上の者に対しては動けないとされる。

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