仏教における天部(→天(Deva, Dēva))の一尊で技芸と福徳を司るとされる女神。「伎芸天女(ぎげいてんにょ)」、「大自在天女(ざいじざいてんにょ)」、「摩醯首羅頂生天女(まけいしゅらちょうしょうてんにょ)」とも呼ばれる。サンスクリット名は分かっていない。摩醯首羅天=大自在天(Maheśvara)が楽器を弾いていた時にその髪の際から誕生したとされる。他の天女達が誰も及ばないほど楽器を奏でる伎芸に優れているという。伎芸天を本尊とする修法である「伎芸天女法」は福徳や伎能を求めるものだが、歓喜天(Gaņapati)の修法である「聖天供」を修するも効験が顕われない場合などにも行われる。これは歓喜天(Gaņapati)と大自在天(Maheśvara)の関係性に拠る。白色の身色で天衣を着け瓔珞や環釧で身を飾り、左手で天花(を盛った器)を胸前で掲げ、右手で裾をつまむ姿で描かれる。 種字は「हुं(huṃ)」、三昧耶形は天花、宝珠、印相は合掌して薬指と中指を外に相交え、二指を少し丸めて宝のようにするもの、真言は「曩謨摩醯濕嚩羅野榅支摩冒試佉野曀醯呬娑嚩賀」(T1280)。
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