ゲイルロド

北欧神話における巨人（ヨツン（Jotun, Jotan, Jötun, Jöten, Jötunn, Jǫtunn））族の一人。ギャールプ（Gjalp, Gjálp）とグレイプ（Greip）という娘がいる。鷹の姿になっていたロキ（Loki）を捕らえたゲイルロド（Geirrod, Geirröd, Geirröðr）は、ロキ（Loki）を殺さず開放する代わりに、「雷神トール（þórr, Thor）を武器を持たせずにゲイルロド（Geirrod, Geirröd, Geirröðr）の館につれてくること」を約束させた。これは、過たず頭蓋を破壊する槌「ミョルニル」を持つトール（þórr, Thor）がヨツン（Jotun, Jotan, Jötun, Jöten, Jötunn, Jǫtunn）族にとっての最大の障害だったからである。ロキ（Loki）とトール（þórr, Thor）は仲が良かったので、トール（þórr, Thor）は疑いもせずにロキ（Loki）とともに無防備な状態でゲイルロド（Geirrod, Geirröd, Geirröðr）の館に出かけた。そのままの状態で館についたとすればトール（þórr, Thor）といえども無事ではすまなかったろうが、トール（þórr, Thor）の幸運は途中で見かけた女巨人の家に泊まったことである。そこの親切な主グリード（Grid, Gríðr）はトール（þórr, Thor）にロキ（Loki）に騙されていることをこっそりと教え、彼女の持つ魔法の武具、つまり力を増すベルト、鉄でできた手袋、決して折れない杖をトール（þórr, Thor）に貸し与えてくれた。この助けによってトール（þórr, Thor）は無事にゲイルロド（Geirrod, Geirröd, Geirröðr）とその娘二人を殺すことに成功した。