中国神話における英雄神。本来羲和(Xī-huó)の生んだ10個の太陽は一日に一つずつ、順番に空に登っていたが、顒(Yao)の時代になるとそれら10個の太陽が一度に空に昇るようになってしまった。これにより地上の灼熱と化し、人々は大いに苦しんだ。これを見た天帝の帝俊(=帝嚳(Dì-kù))は弓の名手であった羿(Yì)を地上へと派遣した。羿(Yì)は太陽に棲んでいた烏を次々と矢で射落として太陽の数を1個まで減らしたという。 羿(Yì)はほかにも地上で猛威を振るっていた猰窳(Yà-yǔ)、鑿歯(さくし)、九嬰(Jiŭ-ying)、大風(Dà-fēng)、修蛇(しゅうだ)、封豨(ほうき)といった怪物を退治したとされる。その後羿(Yì)は帝俊によって神から人間にされ、不老不死でなくなってしまった。これは10個の太陽が帝嚳(Dì-kù)の息子たちでもあったためである。羿(Yì)は妻である嫦娥(Cháng-é)とともに西王母(Xi-wang-mu)に不死の薬を貰ったものの、嫦娥(Cháng-é)に独り占めされてしまった。ほかに、河伯(Hé-bà)を倒し雒嬪(Luò-pín)を妻にしたという話も残っている。
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