エジプト神話に登場する霊鳥。ヨーロッパで紀元前4世紀頃に紹介され現在でも広く知られている。太陽の鳥「ベンヌ(Bennu)」を起源とすると考えられている。世界に一羽しかいない美しい鳥で、鷲に似た姿をしており、首の周りが金色、身体は紫で、薔薇色の混じった青い尾を持っている。「フェニックス(Phoenix)」という名称はラテン語で、ギリシア語では「ポイニクス(Phoinix)」と呼ばれ、この名は「紫」からきている。アラビアの砂漠にすみ、シナモンなど香料になる木の小枝などを集めて巣を作り、五百年あるいは六百年ごとに焼け死ぬが、その灰の中から再び若い姿をして生きかえってくるという。 フェニックス(Phoenix)は不死と再生の象徴とされ、キリスト教の形成時キリストの復活と関連付けられ教会の祭服や備品、建物の装飾などにその図像が重用された。キリスト教の文献では様々な色に彩られた華やかな羽を持つ鳥とされ、再生のサイクルは4年(1461日)とされた。炎の中を自由に動ける動物として、時に混同されるサラマンダー(Salamander)とともにヨーロッパの貴族や火災保険に関わる建物の紋章などに広く用いられている。
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