ファーザー・クリスマス

一年に一度のみ、12月24日の夜から25日の朝にかけて現れる(行動する)老人の姿をした妖精。主にアメリカとヨーロッパ全域において信じられていて、地域ごとに名称や性格、姿、行動が異なるが、基本的に一年まじめに過ごした子供にプレゼントを与える妖精として知られる。白く長い髪と顎鬚をたくわえ、赤と白の衣装を身に纏い、子供たちへのプレゼントを詰めた白く大きな袋を背中に担いでいる。複数のトナカイに引かせたソリで空を飛び、夜の子供たちが眠っている間に煙突から家の中に入って子供たちの枕元、あるいはぶら下げられた大きな靴下の中にプレゼントを置いていく。 世界的によく知られている、白い縁取りのある赤い衣装が、「コカコーラ社のCMが初出である」とされることがあるが、この衣装は当該のCMよりも前から見られるもので、妖精がよくかぶっている赤い帽子が発展したものだと考えられる。妖精の衣装の色はよく自然の色を反映しているが(花の妖精が花の色の衣装を着ているように)、この場合の赤はベニテングダケなどの赤いキノコを元とすると考えられている。 ファーザー・クリスマス(Father Christmas)の起原は三姉妹を売春から救った聖ニコラウスであるが、他にもドルイドの冬至祭や、ゲルマン民族の冬至祭(ユール祭)、或いは北欧の主神オーディン(Ōðinn, Odin)の神格(悪者に罰を与え善者に褒美を与える)などにも起原を求めることが出来る。これらの民話・神話が複雑に影響し合い、更に地域ごとの慣習などをも吸収したものが現在のファーザー・クリスマス(Father Christmas)、あるいはサンタ・クロースに受け継がれている。

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