エシュ

ナイジェリア、ヨルバ族の膨大な神群の中でもひときわ重要なトリックスター。西アフリカのベナン(ダオメー)のレグパ(Legpa)に相当する。特定の祭祀集団によって祀られているヨルバ族の他の神々とは異なり、全ての人々に祀られている。人の生活と密着した家の守護神であり、市場や交易の神であり、天界の主オロルン(Olorun)に次ぐ力を持つ強大な神。神話上ではしばしば道化のような役割で登場するが、他の神々ですらエシュ(Eshu)の力からは逃れられず、不和や混乱をもたらす神として恐れられている。ヨルバ族にはエシュ(Eshu)が登場する様々な逸話が伝わっているが、それぞれのエシュ(Eshu)に対する描写は食い違い、小人のような姿をしている時もあれば、立派な逞しい男の姿のときもある。神々の使者という役割でありながらその力はほとんど万能に近く他の神々を圧倒し、不和や混乱、争いをまきちらす秩序の破壊者であると同時に、家や文化の守護神でもあるという。秩序の破壊することで変化をもたらす典型的な放浪神であり、ヨルバ族の人々はエシュ(Eshu)を崇めながらも同時に恐れている。

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