ローマ人がガリアと呼んだ、大陸のケルト人に崇拝されていた戦の神。「ヘスス(Hesus)」とも呼ばれる。元々は木を切り倒す斧の神であり、それゆえに植物の神でもあった。ケルト民族ではエスス(Esus)に生贄として人間を捧げたが、その犠牲者は樹木に逆さ釣りにされた。「祭壇を染める生贄の血を見て心を休める」と言われる残忍な神で、戦の神というよりも人殺しの神とでも呼べるような存在であり、戦いに赴くケルト人を鼓舞し、熱狂を吹き込んだといわれる。そしてケルト人は勝利したあと、敗北した敵をエスス(Esus)への生贄として捧げることで、この残忍な神を慰めた。 一説にはアイルランドの伝説の英雄クーフーリンはエスス(Esus)と同一の神格で、戦いの神であるエスス(Esus)が大陸からアイルランドへと渡るうちに、勇敢な英雄として描かれるようになったのだとも言われている。ローマにおいてエスス(Esus)はマルス(Mars)、或いはマーキュリーになぞらえられた。
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