バビロニアの神。古都ニップールの守護神で風の神。「エンリル」とは「風の主」という意味。荒れ狂う暴風雨の神で、同時にまた雨をもたらし、砂漠と高地に緑を蘇らせる春の新生の湿った風の神でもある。アヌ(Anu)の息子で、アヌ(Anu)とともにニップールのウプシュキンナ宮に会する神々の集団の首長を務め、「全土の王」として、王権と首長権とを授与する。エンリル(Enlil)の言葉、つまり「風」は神々の集会の執行機関であって、その決定を実行する。もし神々がある都市の滅亡を決定すると、その破壊の嵐を送るのはエンリルの「言葉」であったという。
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