ドゥルマ・ジャンク

チベット仏教における21種存在するドゥルマ(ターラー(Tārā)=多羅菩薩(Tārā))のうち、白色のターラー(Tārā)であるドゥルマ・カルポ(sGrol ma dkar po, Drölma karpo)とともに重要視された「緑色のターラー(Tārā)」。略して「ドゥルジャン(sGrol ljang, Drönjang)」とも呼ばれる。サンスクリットでは「シャーマターラー(Śyāmatārā)」と称し、「緑色のドゥルマ(ターラー(Tārā))」を意味する。またまた「アカシアの森」を意味する「センデン・ナクキ・ドゥルマ(Seng ldeng nags kyi sgrol ma, Sengdeng nakkyi drölma)」(サンスクリットでは「カディラヴァニターラー(Khadiravanitārā)」)とも呼ばれる。 商売繁盛や利殖、蓄財などに効験があるとされる。緑色ターラー(Tārā)、白色ターラー(Tārā)の両尊でチェンレーシク(Chenrezig, sPyan ras gzigs)(=観音菩薩(Avalokiteśvara))の左右に侍する姿で描かれることがあり、吐蕃王国のソンツェンガムポ王がチェンレーシク(Chenrezig, sPyan ras gzigs)の化身とされたことにより、その妃である文成公主はドゥルマ・カルポ(sGrol ma dkar po, Drölma karpo)の、ティツゥン公主はドゥルマ・ジャンク(sGrol ma ljang khu, Drölma jangkhu)の化身と考えられるようになった。 白色ターラーと緑色ターラー White Tara and Green Tara メトロポリタン美術館(The Metropolitan Museum of Art)蔵 15世紀後半 Copyright: public domain

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