ドラゴン

ヨーロッパを始めとした英語圏で広く知られる怪物。トカゲや蛇のように鱗に覆われた体を持ち、四足歩行ながら前足の他にコウモリのような翼を持っている。細長い首と尻尾を持ち、頭には大抵とさか状の突起か角が生えている。以上の特徴は必ずしもドラゴン(Dragon)全てに当てはまるわけではなく、地域や年代によってその姿や性質は大きく異なる。例えば多くのドラゴン(Dragon)は人よりもはるかに大きいとされるが、中には人より小さいドラゴン(Dragon)も存在する。また大抵のドラゴン(Dragon)は人間や神に対して反抗的で暴力的な描写をされることが多いが、中には善良なドラゴン(Dragon)も存在する。 「ドラゴン(Dragon)」という言葉自体の語源は古代ギリシャ語に端を発する。古ギリシャ語で「明確に見る、凝視する」という意味を持つ動詞「derkesthai」から派生した「ドラコーン(drakon)」という名を持つ怪物は黄金の林檎を見張る怪物だった。このdrakonがラテン語化したのが「ドラコ(Draco)(draco)」であるが、現在のドラゴン(Dragon)とはまだ異なり、翼を持った蛇のような出で立ちだった。このドラコ(Draco)が更に古フランス語化されて「ドラゴン(Dragon)(dragon)」となり、13世紀初頭にはそのまま英語に輸入された。 ギリシア神話やローマ神話上では、ドラゴン(Dragon)は何かを守る、番人の役目をしていることが多い。ケルトの伝承では人間に敵対するドラゴン(Dragon)もいれば味方になって守ってくれるドラゴン(Dragon)もいた。キリスト教が入ってくるとドラゴン(Dragon)は悪魔の使いとして認知されるようになり、聖人の起こす奇跡の一つとして「ドラゴン(Dragon)の退治」が挙げられるようになった。例えば聖ジョージはドラゴン(Dragon)を倒した聖人として名高い。その後もドラゴン(Dragon)は悪の象徴として、或いは倒すべき暴力の権化としてのイメージを保ち続けた。現在でもヨーロッパ各国の軍旗を始めとした紋章に広く使われている。

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