大日如来

インド神話におけるヴァイローチャナ(Vairocana)が仏教に取り入れられたもの。その音から「摩訶毘盧遮那(まかびるしゃな)」、「摩訶毘盧遮那仏(まかびるしゃなぶつ)」、「大毘盧遮那如来(だいびるしゃなにょらい)」などとも呼ばれる。「大日」はマハーヴァイローチャナを漢訳したもので、他にも「大日遍照(だいにちへんじょう)」、「遍一切処(へんいっさいじょ)」、「光明遍照(こうみょうへんじょう)」などと訳す。密教においてヴァイローチャナ(毘盧遮那如来(Vairocana))が更に発展し、宇宙そのものを体現する仏尊とされたもの。ヒンズー教のスーリヤ(Surya, Sūrya)や、ペルシアのアフラ・マズダ(Ahura Mazdāh)とも関連があるとされるが、いずれにしても太陽神を元にして考え出された神格だとされる。 真言密教の教主、つまり密教における体系の中心となる仏であり、一切の仏・菩薩(Bodhisattva)は大日如来(Mahāvairocana)を本地(本来の姿)とし、一切の徳は大日如来(Mahāvairocana)によって総摂される(まとめて兼ねられる)という。五智如来(Pañca Buddha, Dhyāni Buddha, Pañca kula-tathāgata)(ティヤーニブッダ)の長であり、他の如来とは異なり宝冠、環釧(手首や臂につける輪状のかざり)、天衣などを身につけた菩薩(Bodhisattva)の姿で表される。 大日如来(Mahāvairocana)の神徳はあらゆる生成の可能性を蔵する、理に特化した「胎蔵界」、堅固ですべての煩悩を打ち破る、智に特化した「金剛界」の二面に分けられる。「胎蔵界大日如来」は黄金身で法界定印を結んだ姿で、「金剛界大日如来」は白色身で智拳印を結んだ姿で表される。

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