"第I神"

オルメカの大地、太陽、水、豊穣の神。オルメカの神々は現在までに呼称が伝わっていないので便宜上このように呼ばれる。「竜」の姿、つまり炎の眉に突出した鼻、L字型ないし凹型の目、蛇のような先割れの舌、ワニの四肢、鷲の鉤爪、ジャガーの牙に加えて、さらに人間の特徴も幾つかあわせ持つ怪物の姿であらわされた。オルメカの神々の中でも傑出した存在であり、王権や王位継承、オルメカ文明で生まれた政治機構などと結びついていたと考えられる。また大地や太陽、水、豊穣などとも関係しており、"第I神"がおそらく創造神で、より後代に登場するメソアメリカの神々の祖型であったことを示している。汎メソアメリカ的神であるウエウエテオトル(Huehueteotl)、マヤのイツァムナ(Itzamna)、アステカのシウテクトリ(Xiuhtecuhtli)などに"第I神"の影響、或いは特徴の継承がみてとれる。

ページにリダイレクトします。