ヒンドゥー教の「ブラフマー(Brahma, Brahmā)(Brahmā)」が仏教に取り入れられたもの。色界の初禅天の王であり仏教護持の神とされる。「大梵天(だいぼんてん)」、「大梵天王(だいぼんてんのう)」、「梵天王(ぼんてんおう)」、「梵摩(ぼんま)」、「梵摩天(ぼんまてん)」、「婆羅賀摩(ばらがま)」、「跋濫摩(ばらんま)」、「梵王(ぼんのう)」、「浄梵王(じょうぼんのう)」、「世主天(せしゅてん)」、「娑婆世界主(しゃばせかいしゅ)」、「梵童子(ぼんどうじ)」などの名でも呼ばれる。 初禅天は3つに分けられ、それぞれ上から「大梵天(だいぼんてん)」=「マハーブラフマン(Mahābrahman)」、「梵輔天(ぼんほてん)」=「ブラフマプローヒタ(Brahma-purohita)」、「梵衆天(ぼんしゅてん)」=「ブラフマパーリシャーディヤ(Brahma-pāriṣadhya)」と呼ばれ、狭義での梵天(Brahmā)はこのうち大梵天に住し、梵輔天を臣とし、梵衆天を民とする。雑阿含経に拠れば、大梵天には梵天(Brahmā)しか居らず、誰も来たことがなかったため、「自分の上に出る者はいない」と驕ったところ仏陀がこれを感じ梵天(Brahmā)の前にあらわれ、説法によって帰依させたという。 十二天の一尊としては下方(地)を守護する地天(Prtivī)に対し上方(天)を守護し、二十天の一尊としては東方の守護神とされる。胎蔵界曼荼羅及び金剛界曼荼羅でも東方に配される。また二十八部衆にも「大梵天」として名を連ねる。帝釈天(Śakra-devānam-indra)と対をなすことが多く、合わせて「釈梵(しゃくぼん)」と呼ばれる。天部(→天(Deva, Dēva))の中でも最高位の神であると考えられ、釈迦の説く真理を人々に勧める神だとされる。 種字は「ब्र(bra)」・「प्र(pra)」(胎蔵界)、「मै(mai)」(金剛界)、真言は「帰命鉢囉惹鉢多曳娑嚩賀(きみょうはらじゃはたえいそわか)」、「唵沒羅含摩寧娑嚩訶(おんぼらかんまねえそわか)」。三昧耶形は施無畏手、紅蓮華。 梵天 国訳秘密儀軌編纂局 編 「新纂仏像図鑑 天之巻」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain 梵天 国訳秘密儀軌編纂局 編 「新纂仏像図鑑 天之巻」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain
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