ボナ・デア

ローマにおける女神の一人。名前は「良き女神」の意。ファウナ（Fauna）と同一視される。ボナ・デア（Bona Dea）はもっぱら女性に崇拝されるが、詳しいことは不明の女神である。ボナ・デア（Bona Dea）の父であるファウヌス（Faunus）は娘であるボナ・デア（Bona Dea）を犯そうとたくらみ、ぶどう酒を飲ませて酔わしたり、天人花の枝で鞭打ったりした。そして蛇に変身してついにボナ・デア（Bona Dea）を犯したとされる。また別伝では彼女はファウヌス（Faunus）の妻で家事に長け貞操も固かったが、あるときよったところを夫に咎められ、天人花の枝で打たれて死んだという。このためボナ・デア（Bona Dea）の祭祀ではぶどう酒と天人花を供物にしたり、アウェンチヌス丘にあったその神殿にそれを持ち込んだりすることは禁じられているが、別名を使って供物にすることは可能であったという。