毘羯羅大将

仏教において夜叉(Yakṣa)の頭領の一人であり、薬師如来(Bhaiṣajyaguru)の眷属である十二神将の一人。七億の夜叉(Yakṣa)衆を率い仏法を守護する仏尊とされる。「毘羯羅」は「びかつら」とも読む。サンスクリット名を「ヴィカラーラ・マハーセーナーパティ(Vikarāla Mahā-senāpati)」といい、「ヴィカラーラ」は「鼻羯羅(びから)」、「毘伽羅(びから)」などと音写し、また「円(圓)作(えんさ)」と意味訳される。「ヴィカラーラ(vikarāla)」は「非常に恐ろしい」といった意味。チベット仏教のヌージン・キ・デポンチュニー(gNod sbyin gyi sde dpon bcu gnyis, Nöjin gyi dépön chunyi )中の「ゾクジェー(rDzogs byed, Dzokjé)」にあたる。釈迦牟尼仏を本地とし、十二支のうち亥ないし子の神とされる。その像容は文献によって異なり、紅色の身色で宝輪を持つ(薬師琉璃光七仏本願功徳経・T0450)、黒青色の身色で宝弓箭を手に牛(水牛)に乗る(浄瑠璃浄土摽・T0929)、左手に弓、右手に箭を持つ(九院仏閣抄中の院源僧正記云として)などとされる。 毘羯羅大將 国訳秘密儀軌編纂局 編 「新纂仏像図鑑 天之巻」より 国立国会図書館蔵 Copyright: public domain 青色の身色で天衣と甲冑を着け、髪は逆立ち忿怒形。頭上に猪首を戴き右手に弓を持ち、左手は矢を持ちつがえる姿。

ページにリダイレクトします。