バティン

17世紀の魔術書(グリモア)の「レメゲトン(Lemegeton)」の第一部「ゴエティア(Goetia)」に記されているソロモン王に封印された72柱の魔神「"ソロモンの霊"」の一人。旧約聖書偽典「エノク書」をモデルとする「偽エノク文書」の目録にもその名が見える。「マティム(Mathim)」、「マルティム(Marthim)」、「バティム(Batym, Bathym)」、「バトシム(Bathsim)」などの名でも呼ばれる。その名前はエチオピア人を掲揚するのに用いられた「バタ(Batha)」や、蛇が自身を若く保つために食べていたとされる薬草の名前である「マシオス(mathios)」などに端を発すると思われる。 ゴエティアに拠れば第18の霊で、ルシファー(Lucifer)の側近で強大な力を誇る地獄の大公であり、召喚者の前に青ざめた馬に乗った、蛇の尾を持つ男の姿で現われるという。また愛想が良く素早い魔神であり、召還者に薬草の知識や宝石のありかを教えてくれるといわれる。さらに彼は30以上の悪魔の軍団を支配する。 コラン・ド・プランシー著「地獄の辞典」ではマルティムの名で紹介され、地獄の公爵とされている。 バティンのものとされる二種類のシジル(紋章) 「The lesser key of Solomon, Goetia : the book of evil spirits」より 大英博物館(British Museum)蔵 Copyright : pubric domain

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