悪魔学において元ケルブ(Cherub, Kerùbh)の支配天使の階級だったとされる堕天使。「バールベリト(Baalberith)」、「エルベリト(Elberith)」とも呼ばれる。ミカエリス(Michaelis)の「悔悛した女の驚嘆すべき憑依と改宗の物語(Admirable History of the Possession and Conversion of a Penitent Woman)」などに言及される。カナアンで信仰された「バール・ベリト(Baal berith="契約の主"の意)」がキリスト教の悪魔学者によって悪魔化されたものと考えられる。人間を殺人や冒涜に誘惑する力を持ち、人間と悪魔との間で交わされた契約を公証する役目を負う。バルベリト(Balberith)は地獄の公文書館の館長、地獄の長官、地獄の儀式の司祭、地獄の教皇といった様々な役職を与えられている。1612年にフランスのエクス・アン・プロヴァンスにいた修道女マドレーヌに憑依した悪魔として記録が残っており、祓われる際にアスタロス(Astaroth, Ashtart, Astarte, Ashtaroth, Astoreth, Asteroth, Astarath, Ashteroth, Ashtoroth, Astorath, Asthoreth, Ishtar, Aphrodite)やアスモデウス(Asmodeus)、ベルゼブブ(Beelzebub, Beelzebul, Baal-zebub)といったほかの悪魔の名前と、その悪魔らを祓うときに必要な聖人の名前を明かしたという。"ソロモンの霊"の一人であるベリト(Berith)と同一の存在と考えられる。
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