ユダヤにおける魔神で、ソロモン王に封印された72柱の魔神の一人(→"ソロモンの霊")。「バエル(Bael)」、「ブル(Bl)」とも呼ばれる。17世紀の魔術書(グリモア)の「レメゲトン」の第一部「ゴエティア」や、黙示文学「エノク書」をモデルとする「偽エノク文書」の目録にもその名が見える。フェニキア神話の神「バール(Ba'al)」をモデルとした魔神で、悪魔の中でも上位の力を持つものとされる。人間の姿で現われる他、猫やカエル、カニの頭を持った人間の姿や三つの頭を持った人間の姿で現われるとされた。60ないし70の軍団を率いる地獄の大王とされる。召喚者にあらゆる知識を授け全ての欲求を満たすとされている。コラン・ド・プランシー著「地獄の辞典」で「バール(Baal)」と「バエル」は異なる存在として扱われ、バール(Baal)は異教を主宰する邪神、バエルは奸智に長けた悪魔とされ、猫とカエルと人間の頭を持ったクモの姿で描かれている。 バエル(Baël) 1863 コラン・ド・プランシー(Collin de Plancy)著 「地獄の辞典(Dictionnaire infernal)」より コーネル大学図書館(Cornell University Library)蔵 Copyright : public domain バエルのシジル(紋章) 「The lesser key of Solomon, Goetia : the book of evil spirits」より 大英博物館(British Museum)蔵 Copyright : pubric domain
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