バー

古代エジプトで、カー(Ka)と一緒に人間を構成する要素(霊魂)の一種として考えられていたもの。人間の頭を持つ鷲、ないしコウノトリの姿をしている。霊魂ならば人間の死後に出現するのが自然だが、バー(Ba)はそうではなく人間が死ぬときになると何処からともなくやってきて、人の魂を引き受けて空高く舞い上がるとされた。また、バー(Ba)の安息の場所は常に人間の肉体であって、ときどきは休息のために現世にある肉体(死体)に戻ると考えられた。このためにも人間の死体は伝統的な葬儀によってミイラ化される必要があった。バー(Ba)の概念は神にも適用される(例えばオシリス(Osiris)のバー(Ba)はアピス(Apis)である)。カー(Ka)・バー(Ba)の思想は中国や日本にも伝えられて魂魄(Hun-po)とになったとされる。

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