古代ペルシアの民族宗教「ゾロアスター教」の聖典「アヴェスタ」に出てくる竜。悪神アンラ・マンユ(Angra Mainyu)が生み出した、「苦痛」、「苦悩」、「死」を象徴する3つの頭が持ち、それぞれの頭には6つの目と三組の牙があるという。またその巨大な翼は天を覆い隠すといわれる。ただし、叙事詩「シャー・ナーメ」には首から二匹の蛇が出た人間に似た姿のものとして描かれている。バビロンにあるクリンタ城に住み、千の魔法を駆使してあらゆる悪をなし、炎の神アタール(Atar)とも激しく戦った。その後、エータナオ(ファリードゥーンとも)という英雄が退治しようとしたが、英雄が剣を突き刺すと傷口からサソリ、トカゲ、カエルなどの有害な無数の生き物が這い出したため殺すことが出来ず、捕縛してダマーヴァンド山に幽閉したという(幽閉したのはアータルだともされる)。しかしやがてアジ・ダハーカは鎖を千切り自由の身となって世界を荒らすとされている。
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