アヴァローキテーシュヴァラ

仏教における仏尊の一人で、広範囲の地域で信仰を受けるボーディサットヴァ(菩薩(Bodhisattva))。名前は「慈悲深き眼をした主」ないし「高所より見守る王」を意味する。仏教独自の神だが、一説にペルシアの古い神アナーヒター(Aāhitā, Anahita)やアールマティー(→スペンタ・アルマイティ(Spenta Armaiti))を起源とすると考えられている。アミターバ(阿弥陀如来(Amitāyus, Amitābha))から発現したボーディサットヴァであり、アミターバの浄土に留まりそこから人間や動物に救いの手を差し伸べるとされる。加護を求められればあらゆる衆生に救いの手を差し伸べる慈悲深き神であり、その慈悲の力は灼熱地獄に苦しむ者や昆虫や芋虫にまで及ぶという。あらゆる状況・場面において慈悲の力を発揮するために姿を変えてあらわれるという。チュンディ(=准胝観音(Cundī))、ハヤグリーヴァ(Hayagriva)、エーカーダシャムカ(=十一面観音(Ekādaśamukhāvalokiteśvara))、チンターマニチャクラ(=如意輪観音(Cintāmaṇicakra))、アモーガパーシャ(不空羂索観音(Amoghapāśa))、サハスラヴジャなどは全てアヴァローキテーシュヴァラ(Avalokiteshvara, Avalokiteśvara)の変化した姿だとされる。 チベット仏教においてはチェンレーシク(Chenrezig, sPyan ras gzigs)、中国においては観音(グアンイン)、日本においては観音菩薩(Avalokiteśvara)などと呼ばれ、それぞれの地域で独自な変化を遂げ信仰されている。

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