アスカトル

アステカにおいて神ではないが、神話に登場し、ケツァルコアトル(Quetzalcoatl)を案内する役を担う赤蟻。名前はそのまま「蟻」を意味する。アステカ神話では第5の太陽の時代(現在の世界)、新しく人類が創造されたあと、神々の次の仕事は新しい人類に食料を与えることだった。偶然トウモロコシ(メイズ)の種を担いで走っていたアスカトル(Azcatl)を見つけたケツァルコアトル(Quetzalcoatl)は、どこにそんな素晴らしい食料があるのかとアスカトル(Azcatl)に尋ねるが、アスカトル(Azcatl)は答えたがらなかった。しかしケツァルコアトル(Quetzalcoatl)の嫌がらせと脅しに負けたアスカトル(Azcatl)は、ついには食料のある場所───トナカテペトル(Tonacatepétl 「食料の山」の意)───を白状し、ケツァルコアトル(Quetzalcoatl)をその山へ案内する。その後トナカテペトルはナナウアツィン(Nanahutzin)の提案によって、4方位の風と雨の神、そして4人のトラロケによって分割され、植物の種は風によって四方の大地にばら撒かれた。

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