アサ

北欧神話において主要な神々が属する神族。総じて戦闘的な種族だとされる。本来は北欧の人々だけではなく、他のゲルマン民族からも崇拝されていた存在だと考えられている。「アサ(Æsir)」は複数形で、単数形では「アース(Áss)」。世界の秩序が神格化された存在であり、多様な特質をもつ神々によって構成される。ヨツン(Jotun, Jotan, Jötun, Jöten, Jötunn, Jǫtunn)(巨人)族の祖であるユミル(Ymir)とともに最初の生き物として生まれた牡牛アウズフムラ(Audhumbla, Audumla)が、餌として舐めていた石から誕生したブーリ(Buri)という男を祖としている。ブーリ(Buri)の息子ボル(Borr, Bör)を父とするオーディン(Ōðinn, Odin)を王とし、ヨツン(Jotun, Jotan, Jötun, Jöten, Jötunn, Jǫtunn)族と常に敵対関係にあるが、この世が終わる時までは正面から戦うことはなく警戒的平和の中にある。人間はアサ(Æsir)神族によって創造されたといわれており、これによって古代北欧ではアサ(Æsir)神族は人間の保護者として崇拝されていた。またもう一つの神族である、ニョルズ(Njord, Njörðr)率いるヴァナ(Vanir)神族とも対立関係にあり、両神族の間には激しい戦闘は繰り広げられたこともあったが、結局人質を交換して和解した。

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