アラ

ボルネオのダヤク族に属する、イバン族の創世神話に登場する精霊。時が始まった頃、鳥の姿をしたアラは、別の精霊イリク(Irik)とともに、果てしない大洋の上を漂っていたという。二羽の鳥は、二つの巨大な卵を海から拾い上げた。その一つからアラが空を創り、イリクが大地を創った。だが空に対して大地があまりにも大きくなりすぎたため、二人の精霊は大地をぎゅっと押し縮めた。こうして山や谷、川や池が生じた。やがて植物が現れた頃、彼らは人間を作る事にした。最初は樹液から作ろうとしたがうまくいかなかったので土を用いることにした。最初に人間達の形をこしらえると、精霊たちは自ら鳥の唄をさえずって、彼らに命を授けた。

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