アペフチ

アイヌ民族において、炎を顕現体とするカムイ。名前は「火の老婆」といった意味。「アペカムイ」とも呼ばれる。また「イレスカムイ」と呼ばれることもある。本当の名前は「アペメルコヤンコヤンマッ(炎の輝きとともに囲炉裏の縁に寄り上がる女性のカムイ)」あるいは「ウナメルコヤンコヤンマッ(肺の輝きとともに囲炉裏の縁に寄り上がる女性のカムイ)」だとされる。パセカムイ(重要なカムイ)の一人でカムイモシリ(カムイの世界)からアイヌモシリ(アイヌ=人間の世界)に来た最初のカムイとされる。またアペカムイは単独のカムイではなく、「アペウチエカシ(火の老人)」と「アペウチフチ(火の老婆)」という夫婦のカムイとされることがあるが、これはアイヌで独身より夫婦の方が格が上だと考えられたためである。神謡のなかではウンコトゥクカムイとシュルクカムイを使者とする。

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