アナト

カナン、古代フェニキアの大女神。名前は「摂理」ないし「用心」を意味するとされる。闘いの女神としての性格が特に顕著で、アナト(Anat, Anath)の祭祀はエジプトにも取り入れられた。エジプトではレー(Re)の娘で、セト(Set, Seth)の配偶者とされた。古代都市ウガリトの遺跡から出土した文書に示された神話では、アナト(Anat, Anath)はアリヤン・バールと呼ばれる神の姉妹で、彼のために無数の人間を殺害して両手を血で染め、またバール(Ba'al)をたおしたモト(Mot)神とも戦って、彼を殺し、その死体を切り刻み蓑でふるいわけ、火で焼き、臼で粉砕して畑にばら撒く残忍な女神として描写されている。

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