天若日子

日本記紀神話に登場する神。「天若日子」は古事記での表記で、日本書紀では「天稚彦(同訓/あめわかひこ)」と表記される。天津国玉(あまつくにたま)の子神で、天之菩卑能命に次いで地上を平定するために高天原から葦原中国(あしはらなかつくに)に降臨する。天若日子は国譲りの交渉の為に、「天之麻迦古弓(あめのまかごゆみ)」と「天之波波矢(あめのはばや)」を与えられて派遣された。しかし天之菩卑能命と同じく結局大国主神の意のままになってしまい、大国主神の娘である高比売命を妃に迎え、八年間も高天原との連絡を絶ってしまう。思金神は雉名鳴女(きざしななきめ)を遣わして天照大御神の下した勅令をさえずらせて天若日子を改心させようとしたが、国津神の天探女神のそそのかされて雉名鳴女に向かって天之波波矢を射放ってしまう。矢は雉名鳴女をすり抜けて高天原の高御産巣日神の元にまで届いた。高御産巣日神が「悪神を射た矢なら天若日子に当たるな。天若日子に邪心があったなら当たれ」と言いながら矢を投げたところ、この矢は天若日子に命中し、彼は死んだ。 後日、天若日子と親しかった阿遅鉏高日子根神が弔問をしに葬式に訪れたところ、阿遅鉏高日子根神があまりにも天若日子に似ていたため、本人が蘇り起きてきたと勘違いされて大騒ぎになったという。

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