天津甕星

日本神話における星の神で悪神。「日本書紀」に「天津甕星」、「香背男(かがせお)」、「天香香背男(あまのかがせお)」といった名前で記される。また「天津甕星神(あまつみかぼしのかみ)」、「天香香背男神(あめのかがせおのかみ)」、「香香背男命(かがせおのみこと)」といった名前でも呼ばれる。「天津甕星」の「みか」は恐らく「御」+「イカ(厳しいの語幹)」の短縮で、荒々しい神に対する敬称と考えられる。天津神であるにもかかわらず、高天ヶ原の命に従わない天津甕星は、猛き神建御雷之男神、経津主神のニ柱をはねのけるほどの力を持っていたが、建葉槌命のまえに平伏した。星と、星を見て占う占星の吉凶を司る神と考えられる。 出雲国風土記にも記載されている「那富乃夜神社(なほのやじんじゃ)」は天津甕星を「星神加加脊尾命(ほしかみかかせおのみこと)」として祀る。また茨城県日立市大みか町にある「大甕神社(おおみかじんじゃ)」は天津甕星と建葉槌命両神を祀る。ほかにも愛知県名古屋市南区本星崎町にある「星宮社(ほしのみやしゃ)」、愛知県名古屋市西区にある「星神社(ほしじんじゃ)」など、社名に「星」がつく幾つかの神社は天津甕星を祀っている。

ページにリダイレクトします。